La la la
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| いつもより長くふれてた唇が離れて、すぐ。 裕ちゃんは不意に立ち上がって、ひらり、とキッチンへ向かった。 その場の空気とか雰囲気とか、そういうの全部を立ち切って。 ……そういうのが、分かんないんだってばさ。 たぶん行き先は冷蔵庫だと思われる、その背中を見つめながら唇が自然と尖る。 なんだか納得がいかない。……だって、キスの後、なのに。 いつも、そうなんだ。抱きしめられてキスされて、それで、ぱっ、て放されるみたいで。 そうしていきなり一人にされると、とっても寂しく感じるってこと。分かってる?裕ちゃん。 「だからぁ、なんでそこでビール持ってくんのーっ」 キッチンから缶ビール片手に戻って来た裕ちゃんに、あたしはクッションを投げつけるふりを、した。 「えーやん、一本ぐらい」 「だぁーめーっ!なっちまだ裕ちゃんに聞きたいことがあるんだってばあっ」 さっきみたく隣に座って、プルトップに指をかけてる、その腕にしがみつく。 「そんなんなぁ、これっくらい飲んでも裕ちゃん酔っ払いませんから。平気やって」 「もー……っ、なっちとビールとどっちが大切なのさっ!?」 しがみついてた腕が、ふいに自分のそばに引き寄せられる感触。 裕ちゃんが、ビールから手を放したから、と。 力が入らないだろうってぐらい思いっきり、笑い出したから――。 「っはははぁっ!はーっ、あー可笑しい。なっち……なっち……っははーっ」 「なんでっ!?なんで笑うのー!?」 裕ちゃんはオナカを抱えて笑っている。あたしを腕にしがみつかせたまま。 「やー、だって自分そんなこと、ホンマに……」 笑い過ぎて苦しそうな呼吸の合間、途切れ途切れの言葉。 それからやっと、はー、って大きく息をついて、顔を上げて。 「……何をゆーねんな、この子は」 柔らかい目で、あたしを見つめた。 「分かりました。も、何でも答えますよ?」 裕ちゃんは、あらたまって向き直って。 缶ビールは、テーブルの上に置いてきぼり。 ……なんか、ちょっと。かなり。嬉しい。 |