La la la
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なんだか全然すっきりしない。裕ちゃんの寂しそうな声が頭から離れない。

あれから二日たつけど、裕ちゃんのことばっか考えてる――って、本人に言ったらどんな顔するだろう。

……言わないけどさ。ちょっとコワくて言えないけどさ。



「あのさぁ、なっち。裕ちゃんとケンカでもした?」

んんっ?

ぼーっとしてたら声をかけられて、慌てて振り向くと彩っぺだった。

いつもの軽やかな笑顔で、でも少し心配そうに。

「なんでっ?なんか違う?」

「や、なんか元気ないし、裕ちゃんおとなしーし。

  こないだ二人一緒だったじゃん?だからもしかしたら何かあったのかなーって思ったんだけど」

……彩っぺ、鋭いな。あたしが態度に出やすいってのはまぁそうかもしれないけど、

裕ちゃんはめったなことじゃ人に――とくにメンバーには心配なんてかけない人なのに。

「んー。ケンカっていうか。なっちが、ちょっとキツく言っちゃった」

喋りながら、彩っぺに仲直りとか勧められたらどうしようかなって、ちょっと迷ったんだけど。

――そもそも原因が何なのか、あれがケンカだったのかどうかもよく分からないのに。

でも、ただ、何となく。彩っぺの優しい笑顔につられる感じで、二日前のことを打ち明けた。



「うわっ。うわっ」

妙に嬉しげに、彩っぺが叫ぶ。

「そっかー、裕ちゃんってば、なっちにそんなこと言ったんだ」

「ねぇ、どう思う?裕ちゃんの言ってることって分かんなくない?」

縋るような気持ちで見上げたのに、彩っぺは笑って首を振る。

「あたしは。何となく、分かるんだなぁ」

たぶんね、と呟く彩っぺが、何故かすごく大人に見えて。

眩しいみたいな羨ましいみたいな気持ちにさせる。

「……じゃあ、さ。分かるなら、教えて?」

「あー、それは出来ないなぁ」

ひらひらと、手を振る。

軽く流してるふりで、絶対に譲らない頑固さを知ってる。

「それはあたしじゃなくて。ホントに知りたいなら裕ちゃんに聞いてみればいいんじゃん?」

それがいいと思うよ、と。

ぽんっ、と軽く肩を叩かれて、それで行ってしまう彩っぺを黙って見てた。

撮影の順番が、回る。

彩っぺと入れ替わりに戻ってきたのは、裕ちゃんだった。






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