La la la
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| 「裕ちゃんさぁ、なんか今日嬉しそうだよね」 ふたりっきりの控え室。 思わず口に出さずにいられないくらい、今日の裕ちゃんからは明るいオーラが出てた。 「んー、そう?まぁ、そぉやろーな」 ……きたっ。 「可愛いなっちと一緒やしっ」 がばっ、と後ろから思いっきり抱きしめられる――気配を感じて。 甘いっ。そんなことだろーと思った。素早く身をかわして、あたしは振り返る。 「もー、いつもいつもそんなことばっかりだよ!」 呆れたふりをしてみせるけど。どうしても、笑顔を隠せない。 けれども裕ちゃんは、表情jひとつ変えず。すっ、とあたしの肩に手を……って。 「ひゃああああ!」 あたしの『素早さ』とは比べ物にならないスピードで、頬に唇がふれて。 動揺してる隙に、そのまま腕に抱きしめられて、しまった。 「あー、本当、ホンっマかっわいーなー、なっつぁんはー」 歌うように、耳元で囁く。……酔ってるとき並みの機嫌の良さだ。 分かってるのに、バレバレなのにっ。どーしていつも、やられちゃうかな――あたし。 「またぁ!分かったから離してよ裕ちゃん、もういーべさっ?」 腕の中、振りほどこうとしてみても、いつになくそれは頑なで。 「だめだめー♪なっちの負けやから罰ゲームっ」 ……何が負けで誰が勝ちでそもそもどの辺が勝負だった訳?罰ゲームってなんで? 思ってはみるけど、なんでだろう、なんでなんだか、それは言葉に出せなくて。 「はい、こっち向いてー。動かなーい」 耳をくすぐるように低い、裕ちゃんの声に逆らえない。 抗議の視線も、目と目が合った瞬間に微笑みで返されたりするから。 ――来るっ。 何も言えずに目を閉じた、その一瞬あとに。裕ちゃんの唇がなっちの唇に、軽くぶつかった。 |