Adolescence
−3−



もっと、知りたい。



声。いつもは高く可愛く、耳の奥に転がる声。今は消えそうに切なく響く。

それさえも、荒くなる呼吸に途切れ途切れに。



――こんな、なるんだ。



しなやかな、身体。ふれるのも、返ってくる反応も。

何もかも、熱い。熱くなってく。熱くさせてる。訳も分からず。



こんな、梨華ちゃん。

こんな、あたし。

知らなかった。――だからだ、と思う。

知りたかった。誰も知らない梨華ちゃんのこと。誰よりも。



薄く開いた瞳に、涙が滲んでる。

その目元に口づけて、睫毛を唇で辿った。

少し、落ち着いてる。そんな気がするだけ、だとしても。

余裕なふりなんて出来ないけど、さっきまでの喉が渇くみたいな焦燥よりも今は、愛しい気持ちが先で。



……梨華ちゃん。

耳元で囁いてから、下に滑らせた指でふれた。

びくり、と跳ね上がる身体。あたしの鼓動も。

その瞬間、梨華ちゃんの腕があたしの背中に回されて、強く縋る。

指で掻き乱す度に、力が込められて。だから、伝わる。衝撃も動揺も。



全部、あたしのせいにして、いいから。



だから、その代わりに。

こんな表情、誰にも見せないで。

誰にもあげない。教えない。背中に感じる痛みさえ。

全部全部全部。



ふいに、梨華ちゃんの腕がほどける。長い長い息を吐いてゆっくりと離れて。

周りの空気がやっと普通の気温に戻ったみたいで、
額に流れる汗を初めて冷たいと感じた。






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