Adolescence
2−



今からしようとしてることは、たぶん悪いこと。

分かってて止めない自分が分からない。



身体が言うことを聞かない、というのとは少し違う。ちゃんと、故意にそうしてる。

罪悪感にさえ、惹かれているから。

――この熱は、何処から来るんだろう。

ぐるぐると意味のない考え事が頭の中を回る。

唇と頬と耳元と首筋と、思いつく限りの場所にキスを降らせながら。



こんなに、思考と行動はかけ離れてしまえて。そこからもっと遠くで浮いてるあたしの感情。

だって梨華ちゃんは目を閉じていて、時々、切なそうに眉を歪めてしまう。

それを、可哀相だと思うのに。



手で、探る。

梨華ちゃんの唇から零れる吐息があたしの唇を掠める。

服の裾から忍ばせた指。それがふれる場所は何処も柔らかくて滑らかで、何処までも調子に乗りたくなる。

脱がせるのは訳なくて――だって自分が身に付けてるのと変わりないし――裸だって、見るのは初めてじゃないんだ。状況が違うだけで。

けれども状況が違うだけで、あたしはこんなに、普通じゃいられない。

心臓の鼓動がめちゃくちゃに高鳴って、呼吸が上手く出来なくなった。



苦しくて顔を伏せる。そのまま、胸元を唇で辿ってく。
梨華ちゃんが、びくり、と仰け反った。

身体を捩ろうとしてる気配に、視線を上げる。

思いやりなんかとっくに追いつかなくなってるんだけど、それさえもたぶん、流れのうちのひとつで。

弱々しく首を振ってる梨華ちゃんの、そのせいで乱れた髪とか。あんまりこの角度から見たことない首筋と輪郭と。

すごく近いのに、ぼんやり見えてる。なのに、綺麗。そう思えた。



細い声が、鳴ってる。掠れてて聞こえない。でも、分かる。

あたしの名前を呼んでる。



そのとき、少し。やっと。今こうしてる、それを望んだ意味に気づいた。






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