Good luck,Bad luck



それは、ほとんど占いのようなものだと思う。

一日の終わりに我が身の行方を占うっていうのも、なんか、おかしな話ではあるけど。



やり方は、まぁ、簡単。

基本的なことさえ踏まえておけば、細かいシチュエーションなんかはその時その時で違ってたってかまわない。

心構えだけ、ひとつ。一応。

――決して、いい加減な気持ちで試さないコト。



「裕ちゃん」

何気なく呼びかけて、相手が振り向くのを待って。

たまーに、思いっきり無視されたりするんだけど。そういうときは大抵、ビールに夢中なんで――気にしない気にしないっ。

タイミングとしては、お互いにお風呂上がりでゆったりくつろいでるぐらいがベストかな。やっぱり。

「何?」

やんわりとしたイントネーションで返されたら、軽く微笑んで――あたしの場合は自然に顔が笑っちゃうんだけどさ。

「好きだよ」

って、そう伝えるだけ。



「……あほぉ」

今日の裕ちゃんは、照れたように視線を伏せた。

瞳も口元も、柔らかく笑うのを隠さない。



ん。恋愛運、好調?わりと。



言ってしまえばこれだけな訳で、我ながら単純なモノ。

今日みたいな結果を望んで、どうしても試してみたくなる。

まぁ、でもねぇ、大抵「何を今さら……」とか「はいはい、分かってますー」とかね。さらっと流されちゃうときのが多くって。

愛情度100%の結果なんて――じっと見つめられてふっと微笑まれて「うん、あたしも」って――数えるほどしか出たことないんだ。

あんまり調子に乗ると怒られるし。今日みたいに「あほ」って言うときでも、目が笑ってなかったり、苛々されたり。

最悪の結果も――何も言われないまま、切なそうな苦しそうな瞳をさせてしまった――過去、一度だけ。



それでも、好きだと伝えられるだけであたしは十分幸せ。



「……なぁ、彩っぺ」

「ん?何?」

ベッドの上で頬杖をついて裕ちゃんの前髪を撫でていたら、すぐそばにある瞳が薄く開いた。

「自分、結果がどんなんでも、するコト同じやん」

「……ははっ」

痛いところを突かれて、ごまかすふりで抱きしめる。

「なんやの、ほら、また――」

くぐもって聞こえる声が、それでも困ってないから。やっぱり今日のあたしはラッキーかもしれないな、なんて思って。

「じゃあ、裕ちゃんのことも、もう一回幸せにしてあげるよ」

自分でも笑いながらしか言えないそんな台詞に、腕の中の華奢な身体は思いっきり脱力した。



こうしていられることの幸運も、ついてまわる不運も。振り回すのがあなたなら、あたしはどんなときも笑顔でいられると思うよ。