My love,your love
−from Natsumi−
| そのときが来たら、あたしはどうなってしまうんだろう。いつだったか、そう考えた。 きっと、どうにかなってしまう。そう、思った。 裕ちゃんが、娘。を辞めるときには。 現実のあたしは、今日も普段通りに仕事へ向かう。 「おはよー裕ちゃん!」 「おはよ、なっち。今日早いなぁ」 「な、そんな珍しいって顔しないでよ!ねぇねぇ、今日のスケジュール聞いてる?」 「んー?雑誌の取材とコンサートリハーサル」 「ね。一日ずっと一緒なんだよ?久しぶりだよね」 「あぁ、あたしも思っててん、久しぶりやなーって。全員揃うし――」 弾む会話と、交わす笑顔。 ほら、あたしはとっても元気だ。 少し前のあたしだったら、自分を責めてしまうかもしれないぐらいに。 ……『裕ちゃんがいなくなるのに、なんで笑ってられるの?』 だって、なっちが泣いたって裕ちゃんの気持ちは変わらないんだよ。 ……『泣いて欲しいのかもしれない、って思わない?裕ちゃんは、なっちに』 思わない。裕ちゃんはそんなこと、望まない。 少し前のあたしより、今のあたしは、たくさん知ってるから。 裕ちゃんの、愛情。 それは、とてもとても時間をかけて、なっちを包んでくれた。 爪先から頭のてっぺんまで、優しく、柔らかく。 身体中の細胞ひとつひとつに浸透してる、裕ちゃんの愛。 だから。 楽しいときは笑うよ。悲しいときは、泣くんだ。 なっちの笑顔も涙も、もう裕ちゃんを傷つけたりしない。 それが、あたしの愛だから。 |